感情なくして繁殖は可能か

今日は10月最後の日、そして水曜日ですね。一番好きな曜日です。大学も楽しいし、映画はレディ―スディ。週の真ん中、1000円で気分転換を味わえる。男性諸君、申し訳ない。と云いながら、最近はバイトを代わらせられたり、PC修理の人が来たりで、なかなか映画館まで足を運べませんでしたが。・・・さて、今日観た映画は『インベージョン』。『ブレイブワン』と迷ったのだけど、ジョディ様とニコ様が私の中で大乱闘をした挙句、ニコ様の快勝だった。感想は以下。

ジャック・フィニーの『盗まれた街』を基に映画化された4回目のリメイク。私が観たのは70年代の『ボディ・スナッチャー』で、ドナルド・サザーランドが印象深かった以外に、残りの記憶がほぼ皆無なゆえ、過去作品とは比較せずに観賞。」

宇宙からのウイルス型知的生命体の侵略(インベージョン)によって、人が同化してゆく、つまり平等(≒非人間的)になってゆき、それに対抗する精神科医のニコ様…と極めてシンプル。といえば響きはいいかもしれないが、作り手のご都合主義に任せて作られた紋切り作品。

主演のニコール・キッドマンは素晴らしい。しょっぱなの一瞬写った透けTバック姿にクラッときた人が私以外にもいるはず。おまけに擬似顔射も拝める。侵略されてゆく街の褪せた無機質ブルーの色彩に、彼女の金髪と碧眼が映えて、もはや誰も「お前、昔は赤毛だったじゃね―か」なんて云えません。

全体よりも顔にフォーカスする心理描写は、監督の妙技が効いており、なかなか秀逸。ただ、眠ってはいけないという設定を完全に生かしきれていないのは真に残念極まりない。全てがニコ様の都合にあわせてとんとん拍子に進んでいくのだから、なんのひねりも無い展開に恐さも感じない。子役ですら演技で無表情を保っているのに、ニコ様は動揺が露骨に表情に出ているし、突然うつらうつらしてしまう。だからといって、息子に寝てしまった時は心臓に注射をするようにと無謀なことを頼むのもどうだろう…いかようにもスリリングに出来る設定だけに、淡々と描いてしまったのは勿体無い。

ラストは監督が交代したりなんだかしたせいで、後半がバタバタッとした印象は否めない。あのままヒルシュピーゲルが撮り続けていたら救いの無い終わりになっていたのかもしれない。ハリウッドが認めないような。個人的にはそっちの方が希望だけど。さらにオチの、ジェフリー・ライトの台詞回しの安っぽさには吹いた。(私以外に吹いた人が6人いた観客のうち約一名)まぁ、そもそも『平等』という言葉を人間がよくもまぁ作り出せたな、というほど日頃矛盾を感じているものなので、エンターテイメントの枠をはみ出さずとも、こういう映画がリメイクされ続けているのは普遍的な疑問がいつの時代もあるからで。映画内で「北朝鮮が核を放棄して世界から核が消滅しました」って云ったり、イラクでピースサインを頭上に掲げてる人が描写されるだけで、滑稽さを感じてしまったほど、私(たち)のなかで「平等」と「平和」は相容れないものだと認識してるのが・・・少し怖くなったか。