占いは地球の裏でも似てる

日付が前後するけど、書き溜めていたのをUPします。今週映画観まくりだ…来週、ゼミで発表があり、アルゼンチンの映画について語ることになってます。そんなわけで『ある日、突然』を鑑賞。

ランジェリー店で働く垢抜けないぽっちゃり少女マルシアが、ある日突然強引過ぎるレズビアンのカップルに拉致されてから、関係するすべての人の心に変化が訪れていく、というもの。モノクロで、ラインのはっきりとしてない被写体が全体に優しい世界観を作っている。話の展開としては、一応ロードムーヴィーの部類に入るのかもしれないけれど、この映画で大切なのは旅の最中に何が起こるかではなく目的地ですべてが変わっていくということ。

だっさいマルシアが、パンキッシュでなかなかクールなマオに一目惚れされて「ヤリたい」と執着されるほどの魅力があるか分からないから、序盤は少々無理やり進んでいく感じがある。マオの隣りにいるレーニン(マオの相方)は控えめな存在感を光らせるていたけど、これも後半に重要性を増す対比として演出されているんだろう。レーニンが後半で意外と素敵な話し相手になるところを見せたり、強気で他人を見透かしているようなマオが実は弱い心を抱えているという登場人物たちの二面性も面白い。特にマオが寂しさから、他人が着ていた服を着たりするのは子供っぽく、彼女の孤独を表現している。

ただ、マルシアがマオに一目惚れされるほど魅力的かどうかが怪しい…ヤリたそうにマオが迫っても反発して、『本当は興奮してるくせに』と図星つかれても強気なところや、ヒッチハイクで乗ったトラックの前に死体が転がるのを観て、その死体に唯一歩み寄ったり(ただしここは全くストーリーと絡まない)するところなど、そうしたマルシアの魅力を分かるには少し時間を要するものだった。仏頂面だし、若いのにキャシー・ベイツみたいな(見苦しい)体型だし、フラれた元彼にはイタ電かけてるし。まぁ、マオも一目惚れの割には、ガチに惚れてる感じもないから、単に好みで抱き甲斐のある女だからと考えるのが妥当か…その割には「愛の証明」て。

前半はマオやレーニンの言動でピリピリとした部分が多いが、後半の大叔母の家で3人が過ごす時間と出会いの尊さには美しいものがあり、見終わった後に清々しい気持ちになる。何でもない物体を写して豊かな映像世界を創ったり、ドラマ性よりも日常を切り取ったような自然体を俳優から引き出すディエゴ・レルマン監督にはジム・ジャームッシュに通じるような才能があって、期待したい…けれど、この作品以降はそれほどぱっとしたキャリアを積んでいないみたい?

どこが印象的だ、というように主張が強い作品ではなく、93分間の淡々とした流れすべてが作品のエッセンスなので、退屈に感じる人もいるだろうけど、コーヒーを飲みながらのんびり観るのが素敵。

2002年の映画祭では、かなりの高評価を得たこの作品、原作はセサル・アイラというアルゼンチンの作家で、一応うちのゼミ担当と友人らしいのですが『あいつの原作より映画のほうがよっぽど良く出来てる』と言ってました。

♪今聴いている曲♪
RafterZZZPenchant
最近、急速に愛し始めているRafter、新作も最高。アシッド・ジャズとか言われたりしてるけど、ザラットしたサウンドとけだるさ、それでいてポップでカラフルなところが大好き。でも『Sassy』という曲ではJusticeバリのゴリ押しダンスロックだし、何者ですか。

Sex Death Cassette

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