Lydia『Illuminate』


これ、日本未発売みたい…本当にもったいない。現時点で、USのインディロックバンドの作品では今年最高の名盤。正直、新作アルバムをほとんど最近買ってないから、比較するつもりも権利もないんですけど。

1stアルバム『This December』から3年、今年の3月にリリースされたLydiaの新作『Illuminate』。昨年のドラマー脱退や女性ヴォーカルを務めるMindyの再加入などバタバタとしていたので、どうなるか少し不安だったけど、素晴らしい結果になっている。結成して5年になるこのLydia、ほとんどの曲が高校時代に書かれたという『This December』の頃から、その落ち着いた佇まいや、アイロニカルなリリックなど、恐ろしいほどの完成度高さを誇っていたが、新作では彼らの深い世界観に磨きがかかっている。

アルバム全体がひとつの大きな流れを持った曲のようで、統一された中で様々な表情を見せてくれる。個性的なLeightonのヴォーカルとMindyの透明感あるコーラスが美しく、壊れそうなほどにエモーショナル。さらにサンプリングやコーラスの抽出を重ねて奥行きのある音作りになっている。このセンスの良さは圧倒的。

1曲目の『This Is Twice Now』のイントロのピアノからしてすさまじい引力なんだけど、違和感無くシンセの音やドラミングを滑り込ませていくのがすごい。『Hospital』ではCopelandのAaronとコラボレートしていて、当然Copeland好きにも胸を張ってオススメできる作品。Aaronが参加していることは最近まで知らなかったんだけど、最初に聴いた印象はかなりCopelandに近かった。

ペーソス溢れるサウンドに乗っかる歌詞は、パーソナルで抽象的。しかし、リスナーに汲み取ってもらい、自分に当てはめて欲しいそうで、Leightonは内容について具体的なことを言及したがらない。インタビューでもそんな感じ。でも、彼の経験から紡がれる言葉は、陰鬱なだけでなくかすかな光も感じさせる。それはアルバムタイトルの『Illuminate』しかり。私は聴いていると、灰色の海のような情景が浮かぶんだけど…

アルバムの原型をほとんどヴォーカルのLeightonとSteveで作ったため、前作よりも女性ヴォーカルが少なくて、Mindyの声ももっと前面に出して良いんじゃないかと思った。あくまで今回はコーラスに徹してる感じ。それでも十分に素晴らしいアルバムになっている。特にラストの7分近くに及ぶトラック『Now the Once You Loved is Leaving』のドラマ性はモンスター級itunesでダウンロードするとかして聴いた方がいい、こんなブログ読んでピンと来た人は。ライブも良いみたいです、いつの間にメンバー増えてるし、是非観たい。