『シューテム・アップ』野菜を食べろ!

いつもあるはずのアルバイトがないため、13日の金曜日よろしく横浜109シネマズにお目当ての『シューテム・アップ』を観に直行。

クライヴ・オーウェン扮する主人公のスミスが唐突に産婆になり、ジェームス・ボンドが通常使用するワルサーPPKで臍帯を切り、『トゥモロー・ワールド』を彷彿させる赤子片手に弾丸ぶっぱなし続けの出だしから、持ってかれた。この作品の常にユーモアを欠かさずにおきながら、綿密な絵コンテに基づいたアクションシーンのバリエーションの豊かさは見事。小道具や状況を最大限に利用する戦法は『ボーン』シリーズを意図的に狙っていて、特に階段の真ん中を落ちながら敵を打ち殺していくシーンで着地に失敗しように見せながら、床にあった死体がクッションになるのは同作品を軽くコピってネタにするという面白さある。クライブ自体、ボーンでスナイパーだったしね。彼の深く彫りこまれたシワの陰影が、渋味を増しており、男は年齢も武器に出来るというのはつくづく羨ましい。

キャストをクライヴさんしか知らなかった(珍しく予備知識がゼロに等しかった)ので、敵となる相手が中年パゲのポール・ジアマッティだというキャスティングが良かったうえに、赤子に母乳を与える役目がモニカ・ベルッチ演じるイタリア移民の母乳プレイ専門嬢だという展開に度肝を抜いた。特に目元においての加齢が著しい彼女だが、熟女でありながら維持している豊満なボディで悩殺的なカッコウをされては瞬きも出来ない。逆にいやらしい。(おや、女も年齢を武器に出来るということだ)その割には期待していた授乳シーンも乏しいうえに、乳の露出が少ないのが物足りない。さらに、エッチシーンではスミスが下になるのね、と思わせておきながらそれも全てアクションへ繋がる細工になっているのが興味深いが、ここでも私はモニカのポロリを期待していたのに、ガードが堅かった…ガクリ。

エンターテイメント重視のアクション映画にしては、アクションのためにシーンを繋げるだけでなく、実は銃規制という社会的な問題をバックにしているのが何より意外で、2万5000発もぶっ放し、15ガロンの流血(血糊使用量)がありながら、この映画そのものが巨大な皮肉のように思えて笑える。そもそもスミスという名前も、合衆国最大の老舗銃器メーカーであるスミス&ウェッソン社から取っているんだろう。それだけじゃなく、英語では「smith」は金属細工人という意味があるので、劇中でも『彼はスミスだった』という台詞もあり、二重に掛けているということになる。ただ、字幕ではただの"銃職人"と訳されていたけど…一番この映画で不満だったのは、ヘボ過ぎる日本語字幕。直訳が多く、作品の良さを20%はカットしていた。

ともあれ、ラストまで意外性と強引さでグイグイと引っ張るアクションと展開には圧倒。特にスミスが目線で何を撃ってどうするかを見定める時に、観客も「フムフム、つまりはそこを撃ってそうするのかな?」と想定出来て、いざスミスが動くと「え―!それ使ってそうするのね!」といったように気持ち良い裏切りがあると同時に、明快な分かりやすさがあって良い。ニンジンという小道具を、出だしの印象付けだけに使ってフェードアウトさせるんではなく、最後まで駆使するギャグもナイス。ラストのモニカのコスプレ落ちまでしっかり楽しめたので、これだけ痛快なアクション映画は久々だった。劇中のニルヴァーナAC/DC、エンディングのモトリー・クルーなど音楽にも注目で。

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監督のマイケル・ディヴィスも、こんな恥ずかしい過去を100歩譲って忘れてあげたくなりますね。痛すぎる。