触れないつもりだったけど

寄生獣(完全版)(1) (KCデラックス アフタヌーン)

寄生獣(完全版)(1) (KCデラックス アフタヌーン)

バイト先で珍しく飲み会がありました。たまには飯もちゃんと旨いのを食べようということで、会費は3000円…私の日給より高いよ。飲まずにひたすら食べている私のような人間には、せめて飯だけでもしっかり食べて元を取りたいので、期待していたけど緒戦は居酒屋。油っぽい揚げ物は少ないものの、水餃子はべた付いていて、いかにも3秒で作りましたというような大根のサラダ、食欲が引き潮のように失せていく焼きそばといい、私は居酒屋さんに募金したみたいなもんだった。食べ残しは少なかったです、他の人が食べてました。ちなみにお酒はカルアミルクを2分目まで飲んだきり、ビールは嫌いなので飲みません。美味しさを知りたいとすら思わないので、早くも社会人一年目が憂鬱極まりないです。

それはともかく、バイト先でそこそこ話し相手になってくれているY先生が先日の秋葉原で起きた無差別殺人事件のことを話し始めまして、なんと次の日Y先生はあまりの恐さに家を一歩も出なかったようです。学校もわざわざ休んだということですね。そういうタイプだとは思っていなかったので、その場では笑ってしまったけれど、事件の影響力の大きさを感じました。

メディアの報じ方といい、複雑な思いがありますが、今回の事件は本当に痛ましいことです。言及はしてきませんでしたが、心は痛めてました。さらに、今回の事件も原因は複合的にあるわけであって、「アキバ」で起きた「25歳派遣」の「男性」の「無差別殺人」とキーワードを並べても意味は無いのに、ネットで飛び交う浅はかで思慮に欠けた憶測の連鎖に辟易とするのはいつものこと。

それ以上に、今回の事件で愕然としたのは、血を流して倒れている人の傍らで笑いながら電話をしている者や、写メを撮る非人間が存在したということです。私は、前に死体の写真を見ても何も感じないと書いたけど、それはあくまでも古い写真であって、限りなく私にとって非現実的なものであって、もし今回の事件のような惨劇が目の前で繰り広げられたら、私は正気でいられる気すらしない。

今『寄生獣』の完全版を集めてて、高校生の時に読んで以来、久々に読み直しています。改めて圧倒されているんですが、3巻で新一の学校に島田が侵入し、混乱状態になり無差別に生徒(彼からすれば肉)次々と殺していった場面を思い出してください。新一は村野を助けに行きますね。そして廊下に累々と転がる死体を目撃し、一瞬激しい動揺に襲われますが、数十秒で精神の落ち着きを取り戻し、冷静に血が広がる床を歩きながら乗り越えていきます。読んだ人は当然お分かりですが、これは寄生獣で「情のない」ミギーの体細胞が新一の全身に混ざりつつあったため、彼の精神に変化が起きていたからです。そんな血の海を平然と通り過ぎて来た彼を見て、別の男子生徒は『おまえ…人間…?』と震え上がります。

全く同じようなことを、私は秋葉原で笑っていた連中に対して言うと思います。こんなにゾッとしたのはいつぶりだろう。人間じゃないよ。こういう時には絶対に『所詮』という言葉を使いたくない自分がいる。いつもは鼻で笑うような『善意』とか『献身』そういう言葉にすがり付きたくなる。私はそういう奴なんですね、根っこでは。それで良いと思うんです、私は。

そこまで漫画は詳しくないけど、これほど好きな漫画は無い。

寄生獣(完全版)(3) (KCデラックス アフタヌーン)

寄生獣(完全版)(3) (KCデラックス アフタヌーン)