お兄ちゃんの苦悩

そ、です。お兄ちゃんです。つなビィ側も見てくれている人はピンと来たと思いますが、うちの庭に出没する野良猫です。そして恐らくうちのタリと親戚関係にあり、出没年からして恐らく兄妹かなんかです。だから名前は『お兄ちゃん』。でも『まぬけ』と呼ぶことも多いです。

だって多分…お兄ちゃんは…ち…え…お…くれ…(ソフトな言い方)なのです。猫でもいるんだな―って思います。お兄ちゃんはとんでもないマザコンです。もう5、6歳になるんだろうけど、未だにお母さんをストーキングしています。ちなみにお母さんもまだ生きているので、かなり長生きな野良猫だと思います。

何よりも衝撃的だったのは、まずお母さんの乳を成猫になっても吸っていたこと
母猫よりも体が大きくなった雄猫が未だに(出ない)乳をチュッチュク吸ってる光景はあまりにも珍妙過ぎて、母が携帯のムービーに納めていました。携帯のムーヴィ機能なんてその日まで必要ないと思っていましたからね。でも、ドジっ子な母はその携帯をコーヒーカップの中にポチャンしてしまったので残念過ぎることにそのムービーも消えてしまいました…。

猫は子育ては3匹いようが4匹いようが、必死に育てます。ヨチヨチ歩いて行こうとする仔猫の首根っこ咥えて大事に大事に育てます。自分の赤ちゃんが死んでしまったときは本当に落ち込みます。そんくらい可愛がるんですけど、親離れの儀式は見てて辛いくらい厳しいです。いつものようにじゃれつく仔猫が母親に『シャーッ』と威嚇されて狼狽する姿は何だか切なくなりますが、これも愛…というか自然の摂理。

しかし、そんな自然の摂理さえも捻じ曲げるお兄ちゃん。あまりのマザコン・ストーカーっぷりに呆れたお母さんはお兄ちゃんを傍に置くことを特例で認めたようにさえ見えました。

お兄ちゃんは今となっては去勢していますが、以前までは立派なオスでした。まぁ立派かどうかはよく分かりませんけど、息子ちゃんがくっ付いていたわけです。ということはメスの争奪戦に自ら身を投じて、激しい縄張り争いを繰り広げるはずです。時には血を見る戦いが待ち受けているはずです。しかし、うちの近所一帯は、どうやら白黒のブチ猫(クソ不細工)が幅をきかしているようで、他のオス猫は縄張りに入ってきても喧嘩に負けているようでした。…ということはお兄ちゃんが危ない!!きっと自分の縄張りにオス猫が居たと知れたら、ブチ猫は容赦なくお兄ちゃんをコテンパンにするはず…そう、心配していました。

そして遂に私は近くでお兄ちゃんがブチ猫の傍を通りかかったのを見ました。
お兄ちゃんが危ない!!そう思った私は固唾を飲んで見守っていました。

…んがしかし。ブチ猫はお兄ちゃんを無視。完全にスルー。その様子は縄張り争いがピークを迎える発情期になっても変わりませんでした。よくよく見ると、どうやらお兄ちゃんはオスとして認められていないようでした。オスにオスだと思われない猫って…

しかも何より驚いたのは、お兄ちゃんには発情期が無い、ということです。いっつもポケーッとした焦点の定まらないような虚ろな顔をしています。メス猫自体、野良猫が減っているのでほとんど居ないのですが、お兄ちゃんには自分の子孫を残すという野心というか本能が微塵もないようでした。

そんなお兄ちゃんは、妹であるタリと仲良くしたがっているようです。先日、タリが逃亡を図ったとき*1のことです。私はタリが逃げ込みそうなところは知っているので、車の下を覗くと案の定タリは隠れていました。そんなうずくまるタリの近くにお兄ちゃんが近づいてきました。『お友達になろう』と言わんばかりに鼻をタリの鼻にくっつけようとしました。その様子は極めて友好的で穏やかなものでした。去勢してたし、タリも避妊手術していたので、やましいことは何もないはず。するとタリは…

『シャアアアアァァァァアアア――――!!!!』

アズナブル―!!…じゃなくて。タリはお兄ちゃんに向かって、持てる力ありったけの威嚇(笑)をしたのです。ビックリしました。お兄ちゃんもビックリしてました。というか戸惑ってました。しかも、タリはよっぽどお兄ちゃんが嫌いなのか、猫パンチで叩きました。いつも大人しいタリがあんなに恐ろしい一面を覗かせるとは。しかも人畜無害なお兄ちゃんに対して。…お兄ちゃん逃げたし。ヘタレだからね。仕方ないよね。

でも、未だにタリと仲良くなるという作戦は続行しているようです。ついこの間、つなビィにアップした前日くらいのことです。
タリがいつものように網戸から外を眺めていました。タリは自分が外に出たがることがイケナイコト*2だと分かっているので、私や母が背後から近づくだけで『いやいや外なんて見てないっすよ、ハハッ…』という感じにそそくさと逃げます。でも、このときばかりは違ったのです。なのでタリの様子を伺っていると、突然…

『ウウウウウウ…』

…ッディ・マルデン!!…じゃなくて。おっかね―…唸りだしました。一体全体、何に向かって唸ってるのかと、その視線の先を見ると…もうお分かりですよね。お兄ちゃんです。お兄ちゃんがタリに近づいていたのです。私が見たときにはタリに唸られて、すごすごと寂しげに遠のいていくところでした。

そのときの写真が上です。タリ(後姿)が睨みをきかしています。お兄ちゃんが身を乗り出していたのを引っ込めたところです。網戸の向こう側だけど分かりますか。そして右下にカメのムイムイが写っているという奇跡のコラボレートが実現(笑)

どんだけ嫌われてるんすか、お兄ちゃん。きっとタリはタマの無いオスは嫌いなのです。タリは避妊手術をしたのに、まだオスが気になっているようです。卵巣の方が残っているのかな…よく分かんないけど。とにかく、タリは例のブチ猫が好きらしいです。やっぱり所詮は猫。遺伝子で選ぶようです。

あまりにも愉快で可哀相で残念な子です。私はそんなお兄ちゃんが大好きです。なので、これからもお兄ちゃんを観察していこうと思いますのでよろしくお願いします。

*1:伝染病や虫などを避けるために家の中厳守ですが、たまに野性の本能がたぎるようで家を飛び出します。

*2:岡村靖幸ファンでもないのに、一瞬でカタカナ変換になった…