けっきょく日本の観客は事大主義なのかな

ハンサム★スーツ

ハンサム★スーツ

ケーブルTVで(他に観るもんないから)比較的よく観るチャンネルにムービープラスがあるんですけど、そのムービープラス内の番組に『スクール・オブ・フィルム』ってのがあるんです。まぁ映画の小ネタを古いもの引っ張り出したりして紹介する番組で、私は殆ど観たことないんですけど今月のテーマが『映画のコピーライター』で、さらに試写会の応募もあって当選した人は映画を観れるだけじゃなくて、見終わった後に映画のコピーを考えるらしいんです。それで最優秀賞に選ばれた人は豪華商品があるとか何とかで。本音を言えば実際にコピーを使用してお金貰ったほうがいいんだけど、なかなか面白そうな企画です。一応興味がある仕事なので応募してみたのですが、その映画ってのが『ハンサム☆スーツ』なんですよね…。

脚本の鈴木おさむといい、キャストといい、まぁそれなりのヒットが見込めそうな作品ではあるのだけど、また鈴木の奥さんが例の如く出てきてたり、馴れ合いムードを払拭ができてないというか、しようともしていない。温水も出して、あのノリなんでしょ?って分かりきったような。それに安心感を寄せて、観客も観に行くんだろうなって、あの感じ。

デトロイト・メタル・シティ』に対して、バラエティ感覚をそのまま映画に持ってきたようなコメディと指摘をした寄稿*1を読んだけど、それってまさしく私があの映画を観たときに感じたものだったんですよね。用意された笑いどころで、安心して笑って、笑わないと損をしたような気分になる。映画がドラマより格上だとは思わないけど、ただの延長線ってもんでもないから、映画だけに求められているものが達成されてないような気がしました。だから満足げに『面白かった!!笑った!!』で済まされた感想を読んでも、納得いかなかったのかもしれない。あれはキャスティングで大勝利を得たようなもんだと思うし。

例えば、コメディ大国のアメリカで下ネタ上等なジャック・ブラックやイライラしてるウィル・フェレル、無表情でバスター・キートン系譜*2のスティーブ・カレルとか、そういう期待された芸風に応えるブランド化されたコメディ俳優に対する安心感とは違いますよね。質が違うってのもそうなんだけど、きっと日本ではそういうの作ろうにも作れないし、作ってほしいとも思わないし、日本にしか作れないものがあるってのも分かってる。だけど、こういうテレビのバラエティ路線を突っ走る笑いは、ど―も気持ちがいい爽快感を残してくれないんですよね。そういうのが最近ヒットしているのが事実だけど、コアなファンはついてるのか。

きっと『ハンサム☆スーツ』もそうなんだろうな。どんなオチかも想定できる。別にオチが読めるのは悪いことじゃないし、オチにこだわる人はオチまでのプロセスに何のこだわりもないのかよって呆れるんだけど、こういう映画はどうもね…でも、唯一『80's〜90'sの音楽やギャグ満載』ということだけはくすぐられます。あと中条きよし好きとしては彼目当てだけで観るという案も(笑)

ちなみにタイトルは最近読んだ安部公房の『地球儀に住むガルシア・マルケス』の一文のぱくり。

*1:不覚にもライターが誰だか忘れてしまった…分かったら書いておく。

*2:まあ、キートン好きからすれば後にも先にもあんなアクションこなせる人は出てこないって分かってるけど。