最終回『セレブリ3』

セレぶり3 DVD-BOX I

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『セレブリ3』が最終回を迎えましたね。コント仕立てで、一つのセットを出ることなく繰り広げられる三人のとんちんかんな『セレブ観』にまつわる会話が面白いシチュエーション・コメディでした。結局は三人の可愛さに尽きるのかもしれないけれど、それだけではあまりに惜しいのが実は丹念に練り込まれたボケとツッコミが織り成すテンポの良いトーク。『ゆるさ』というのは、ど真ん中に狙いすぎない笑いの愛らしさなのかもしれないです。ありのままをさらけ出しては笑いからは遠ざかり、癒しからはもっと遠ざかる。このアクセルとブレーキの踏み加減って実は難しい。

セレブを目指す割には、みみっちい。さらに一般的なセレブのイメージとはかけ離れた生活感が滲み出る。だからと言って、彼女たちは一度もラフな恰好で登場したことはありません。いつもメイクばっちり、時には流行のアイテムを身につけて紹介する時もありました。ガチで共感を得ることに必死な女子ご満悦ドラマだったらこんなに面白くはならなかったでしょうね。『干物女』も綾瀬はるかがやったら結局可愛すぎちゃったでしょ?

つまり共感されることを狙っていては笑いも取れない凡庸なドラマになっていたところを、巧妙な笑いとチャーミングな3人への憧れに似た感情を引き出す、このバランス感覚が良かった。女子としてはね。男子が観るにしても『はぁ?男が奢って当たり前でしょ、甲斐性なしが!』という高慢ちき似非セレブよりも、生娘という裏設定付きのカープファンというマニアックなミチコマンが可愛くて仕方ないに違いないはず。

それにボケも鼻に付く『不思議』でも『天然』でもないのは、3人が紛れもなく『演技』をしているから。最終回後に書かれた中村ゆりのブログでは、彼女なりの演技に対する葛藤が見られます。3人とも『旬』の女優と言うには食べごろを過ぎているものの、実力も備わった中堅女優といった立ち位置で、それなりに芸歴も積んでいますしね。これは本当にキャスティングの妙。基本的にはツッコミ役にまわる野波麻帆も、ちゃんと芸人のようなリアクションを取りつつ懸命につっこむ姿がグッとくる。必死、とは違う演技に対する誠実な感じ。ほとんど職人気質みたいな。でも3人一緒だと、楽しいなぁって『ゆるい』空気になる。

最終回では『そもそもセレブとは』という原点に回帰し、ぐっち(浅見れいな)は『セレブは自分に誠実でないといけない』と華やかなカタチにとらわれがちなセレブ一般論を冷静に蹴る。さらに最後まで小道具が細かくて最高。ぐっちが読んでいる雑誌は『ムー』をもじった『ヌー』、ジョナちゃんが食べているカップめんには『キャベツ太郎』ならぬ『キャベツ次郎』のデザインが。いちいちクスクス笑えます。この"クスクス"が良いんだね。

マニア受けする設定の細かさと心地良いボケ、そして何より3人のキュートさが完璧にミックスした、良作ドラマでした。ロケもないし、登場人物は最後まで3人だし、低予算でここまで面白く出来るのだから、是非とも続編を願いたい。同枠の『湯けむりスナイパー』もなかなか楽しみではあります。

♪今聴いている曲♪
BeckHotwax
うふふ。久々に聴いてみました。もう12年も前になるのね―Beckたんの周りだけは時間がゆっくり流れているのか、お顔に変化が少なくてオドロキ。福山なんとかみたいね。

Odelay

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