『贅沢』の安売り

最近、本当によく『贅沢』という言葉をよく耳にします。そして、それは大体が商品の名前やコピーです。
コーヒーではボス『贅沢微糖』マキシム『ちょっと贅沢な珈琲店』、ビールではサッポロの『オフの贅沢』サントリーの『琥珀の贅沢』、森永乳業では『贅沢倶楽部』というシリーズから、「ほうじ茶ラテ」や「苺ミルク」などのドリンクを出しています。他にも『ぜいたくモスバーガー』にサントリーの『大人のデザート 贅沢ジュレ』、丸美屋の『今日の贅沢スイーツ』シリーズ・・・数えきれないほどの商品に『贅沢』という言葉が使われており、今こうして並べただけでゲシュタルト崩壊すら起こしそうです。主に食品ですが美肌ケアも見当たります。

贅沢って、どういう意味なんでしょうか。
ぜい‐たく【贅沢】
[名・形動](スル) 1 必要な程度をこえて、物事に金銭や物などを使うこと。金銭や物などを惜しまないこと。また、そのさま。「―を尽くす」「―な暮らし」「布地を―に使った服」「たまには―したい」
【goo辞書-http://dictionary.goo.ne.jp/srch/all/%E8%B4%85%E6%B2%A2/m0u/

この意味を見る限り、とても贅沢というのは庶民の生活からは程遠く、得難いものに思えます。本来の意味で取るならば、少なくとも私は『贅沢』とは縁がないです。しかし、コンビニに立ち並ぶ商品名に『贅沢』は頻用され、逆に身近過ぎるくらい身近なものになってしまっています。でも、なんとなく私はこの言葉を目にするたびに「あぁ、日本って貧乏な国になったんだな」と思うんです。かえって貧しい気持ちになる。私自身は裕福になったことがないから、いつも貧しいことに変わりはないんだけど。

コンビニで買える『贅沢』で満足する国。それが今の日本であり、日本の経済事情、いや国民のお財布事情。それは現実として認めざるを得ないものですが、そこにつけ入るように『贅沢』という言葉を使う企業が好きになれない。「プチ贅沢」とか「ちょこっと贅沢」なんて都合良い言葉作っちゃって、幻想を見せて。それってどうなの?と思うんですよ。別に買う側が満足することは良いのかもしれないけど、どうしてもマーケティング手法としては悪質に感じてしまう。だって苺ミルクとか、牛乳加えるだけで出来るスイーツとか、安っぽいものに限って『贅沢』を謳い文句にしてるんだよ。笑っちゃうよ。

色々引き合いに出そうとすると『下流社会』を思い出してしまうのは何だか癪だけど、平凡な幸せで満足する人が増えたのは事実なのかもしれません。働けど、働けど・・・そういう人のために『贅沢』という言葉は、日常にほんの少しの幸福をもたらすのかもしれません。でも、どうもその「ほんの少しの幸福」を企業が良いように利用しているように感じてならないのです。

私の贅沢は何かなと思い返してみますか。社会人一年目なので、土曜日の朝に「寝過ごした!!」と目覚めて、土曜日だということに気付き、二度寝をすることかも。ちょっと頑張ってパソコン買ったり・・・そんなささやかなもんです。いや!私は結構、豪快なお金の使い方するタイプだな。コツコツ溜めて、バーンと使う。でも1000ml、800円の高級トマトジュースを買ったりするのが一番贅沢かも。とにかく、お金の遣い方は人それぞれなので、何が良いとは思いません。

でも『贅沢』という言葉の安売りは、いただけません。広告の一部として使われる言葉に踊らされず、自分なりの贅沢を見つけるのがベストだと思いますよ。きっとそれが一番幸せだからね。と、自戒も込めて言ってみました。