『MW-ムウ-』

MW-ムウ- [DVD]

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山田孝之の映画強化月間、というわけで避けていた『MW−ムウ−』も鑑賞。キャスト(特に山田)を見る限り原作と違うのは最初から期待していなかったので、プロットに大きな変更があれ、それは受け入れることが出来た。しかし頭から始まるタイのシーンは、海外ロケで相当気合い入っているのは感じるのだけど、正直見どころは玉木宏演じる結城にアッサリと殺される小松彩夏のビッチぶりのみ。ちょっと無理して「えーもっとクスリちょーだいよー」的なことを言ってる演技がかわいい。アクション映画を目指して、スピード感を不必要にブレさせるダグ・リーマンを模倣したカメラ演出だけに頼ったダラダラした展開は本当にイライラする。場面を東京に移してもそれは続く。

賀来に白い服を着せ、結城に黒い服を着せるという善悪の視覚的な対比は分かりやすくするためか、監督が自身の描写力の甘さを自覚した自信のなさの表れか何か知らんが、つまらない。結城が一体どういったタイプの悪なのか人物像が全く掴めないまま曖昧に終わっていく。玉木の悪漢ぶり、というよりもひたすら山田と殴る蹴るといったドエスっぷりが意外と板についていた分、生かし切れない監督の力量には救いのなさすら感じる。玉木ファンにとっては良いイメージビデオかも。山田を海にドボンして「あーあ、玩具が落ちてしまった」と吐き捨てる姿に濡れた婦女子も多かろう。以下ネタバレ?

結城にいともたやすく基地に侵入されるバカ過ぎる米軍描写も日本映画にはありがちだけど、度が過ぎていて緊張感のかけらもない。おまけに脱出用の軍用ヘリも用意するって従順過ぎて泣ける。山田の鈍臭さと犬死にっぷり同じくらい泣ける。漫画の反社会的なメッセージを強調するのは個人的に良いと思うけど興行的にウケそうにないので、賀来と結城の善悪のシンボリックな関係に焦点を当てるべきだったとは思う。終始退屈なので、せめて腐女子が好きそうなシーンの一つや二つでも入れておけば、まだ映画として何かしらの救いはあったよね。どうにも転べなくて残念な作品でした。(が、個人的に山田の捨て犬顔は良かった。)