『GANTZ』

GANTZ』はアニメから入ったので、漫画を立ち読みで済ましたりしてて、最近なってようやくコンプリートしたのですが、好きな作品です。徹底的なグロ描写と、作家性の高いというよりも、ただ本人が描きたいが為のエロが好きです。*1CGを使って描かれる緻密な絵と、7分もあれば1冊読めてしまうような軽さ、そしてわざとらしさのない会話が非現実的でない世界観と読み手を繋げる良い役割を担ってるんですよね。突拍子もない絶望感と、終わりの見えないグダグダな展開も、ある意味GANTZの良さです。

原作にそれなりの愛着がある場合、映画は覚悟をして挑むか、全く別物として懸命に捉えようとするかのどちらかだと思うのだけど、今回はなるべく別物として見るよう心掛けました。もう、キャスティングの時点でそう思うしかなかったんだけど。精悍な顔立ちの加藤を、しかめっ面さえすれば良いと最近思ってそうな松ケンがやるあたり。でも結局比較することは不可避なわけですが。

主人公を高校生から、冴えない就活中の大学生に変更。目的もやる気もなくただ日々をやり過ごしているところ、同級生の加藤と電車にひかれてガンツ部屋に召集されて、その日から星人を倒すミッションに巻き込まれていく。と、ここまではほぼ原作通り。岸本の登場シーンは、ギリギリの寸止めエロがなかなか巧い。それに、岸本役の夏菜は顔こそちょいブスの部類に入るものの、見栄えのする良い女優だなと思いました。メインキャストの中では本郷奏多と並んで良かったです。

星人ミッションはネギ星人、田中星人、そしておこりんぼう星人の3つで、キャラクター数もいちいち構ってられないので、原作と比べると大幅に減らしています。ネギ星人はまずまずだったのものの、田中星人は元ネタが田中星児であることや、鳥キャラがキョロちゃんを模していることなど、大人の事情で映画に盛り込めない設定が多すぎたので、つまらないキャラクターになってしまって残念。ただし映像的な再現度は高かったです。

戦闘シーンと、日常シーンが織り交ざるストーリーのテンポは悪くないのですが、戦闘中の冗長なお涙頂戴のお別れシーンはサブいし、ただただ眠くなる。CGは手を抜いたら原作に負けるとが明らかなため、かなり気合が入っていたぶん、戦闘中の休憩としか思えないダラダラとした会話は惜しい。千手観音もどんだけ気が長いねん、と。セーラームーンの変身シーンの時間が、怪物の待てるMAXだとしたら、その10倍ぐらい経ってましたからね。

二宮も主人公として応援したくなるキャラクターでもないのが、作品全体をぼやっとしたものにしている原因の一つ。原作では、モノローグが平凡な高校生の心情をストレートに表現しているので、現実離れした世界観と平凡な読者をうまく繋ぐことが出来ているものの、二宮の演技力だけではイマイチ引き込まれない。モノローグを排除したことは、映画の締まりをよくするためか。ましてや、2ミッション参加していたにもかかわらず空気だったおっちゃん(田口トモロヲ)と桜井が、突然ラストやる気になるんですけど、二宮合わせたこの3人の華の無さときたら、期待を根こそぎ削ぐ感じで。桜井は個人的に一、二を争うぐらい好きなキャラクターなので、設定が違うなら名前もオリジナルにして欲しかったです。

第二部のシナリオは完全オリジナルらしい。一応観る予定です。二宮と松ケンが武器を向け合って「対峙」というポスターからするに、トンデモな展開の予感。でも観ないと文句の一つも言えないしね。今のところ分かったのは、ガンツは映像化不可能というよりも映像化不適応作品だということか。トリスが演じた多恵ちゃんは論ずるまでもないです。

*今日の画像は、松ケンが最近得意げに連発してるしかめっ面。見てると殴りたくなってくる。ビンタ欲*2をそそる二宮に通じるものが。

*1:ただ絵が美し過ぎるので、色気や血なまぐささはないと思ってます

*2:http://hamusoku.com/archives/4054286.html