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アイスとかき氷、夏の思い出

夏が好きです。自宅に冷房のない生活が長いため、人より暑さに強い自覚はあるものの、人並みに「あちー」とは言うのですが、その「あちー」と言える時期がやはり一番好き。日焼けはしたくないので日焼け止めなどの対策は講じるけど、カンカンに照っている太陽の下を歩くのも好きだし、外から帰ってきた時に食べるキンキンに冷えたアイスも大好き。夏に食べるアイスやかき氷に関係する思い出も多いです。

 

幼稚園の頃、海の近くにある市営プールに親が時々連れて行ってくれて、活発な子どもではなかったせいか泳いでいた記憶はイマイチないのだけど、プールから上がった時に食べた「たまごアイス」が楽しみでした。その形状から「おっぱいアイス」と呼ばれることもありますよね。食べ終わりに差し掛かるとゴムが中身を押し出して、爆発しそうになるため、少し食べにくいんですよね。でろーんと中身が垂れて、チロチロと自分の手を舐めた記憶もあります。今は改良されたのでそこまで気になりませんが、当時はゴムの味がしましたね。それも含めて嫌いじゃなかったなと思います。

 

小学校に上がると、海の近くに図書館が出来たので、2週間のレンタル期間を終える度に行っては本をまた借りるというのが習慣になりました。決まって母親と行くのですが、その帰りに駄菓子屋に寄って買うメイト―のオレンジシャーベットが好きでした。今では考えられないほど控えめな性格だったため自分からねだることはなかったのですが、母親が買うと嬉しかったのを覚えています。人工的な「オレンジ味」なのだけど、開けてすぐに掬える柔らかさや、舌にのせると滑らかに溶ける感覚は今でも大好き。懐かしい味、と呼べるものは沢山あるけれど、これも確かに私の懐かしい味リストから外せない一品です。

 

小学校4年生の時に、大好きだった祖父が亡くなりました。同居こそしていなかったものの、家が近くだったので頻繁に遊びに行っていたし、おじいちゃん子だったので当時の喪失感は言葉にならないものがありました。その時、一番心残りだったのは「喫茶店に行くか?」という誘いを断ってしまったこと。祖父はかき氷が好きで、私のことを近くの喫茶店に連れて行ってはかき氷をご馳走してくれました。思えば、自分がかき氷を食べたいというカワイイ欲望に孫を使っていたのかもしれないけれど、二人でかき氷をつついたあの時間は幸せ以外なんでもなかったです。二人のオーダーはいつも決まって「宇治金時」。大きく盛られた氷をいかに崩さずに食べるか四苦八苦する私に、スプーンを使って氷をならしながら食べると崩れないよとコツを教えてくれました。

 

しかし、4年生になり祖父と二人でお出かけをすることに少しだけ照れくささを感じ始めていた私は「喫茶店に行くか?」といういつもの祖父の誘いを「えー、いいよー」と断ってしまいました。それが最期の誘いになるとも知らず。

 

祖父の記憶も月日と共にかき氷のようにホロホロと崩れて、今ではどれが確かなものか分からない部分も多くなっていますが、毎夏当時のことを思い出しながら一度は宇治金時を食べるのがここ何年も恒例行事になっています。ほろ苦い抹茶と甘いあんこ。今年はいつ食べようかな。お店は特に決めていません。そこに宇治金時さえあれば、それだけでいつでもあの日々に還れる気がするのです。